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カーラッピングフィルムの活用 -キズを隠す-

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2020.09 小樽のホテルで

 10年ほど前、上海の街で金ピカに光るクルマを見かけたことがあります。
 同乗していた中国人の友人に「あんな色、塗装じゃムリだよね~?」と問うと、「あれはですね~、フィルムですよ、フィルム。ああやって派手な色のフィルムを張ることが、いま上海で流行っているんです」と

 クルマのボディにフィルムなりシートなりを貼ると、すぐに退色したり、剥がすときに糊がボディに残ったりしてタイヘンなことになっちゃうんじゃないの?と、その時はあまりポジティブな印象を持ちませんが、遅れること数年、日本でもこうしたラッピングシート/フィルムの類は主に高級車を対象としたカスタム市場にすっかりと定着した感があります。

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注記) 「シート」と「フィルム」の表記について
プラスチック等で成形したフィルム様の製品のうち、厚みの薄いものをフィルム、厚いものをシートと呼びますが、フィルムとシートを分ける境界の厚さに定量的な定義はないようです。この手の製品がラッピングシートともラッピングフィルムとも呼ばれるのは、そのせいでしょう。以下、本記事ではシートとフィルムの表記をごっちゃにしてしまっていますが、こうした背景があることをご理解いただき、お気になさらないでください。
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 マットブラック等、塗装では綺麗に仕上げることが難しい、あるいはメンテナンスが大変な色であれば、ラッピングシート/フィルムでそれを実現することは大いにアリだと私は考えていました。
 しかし、高価ながらもホンモノが存在するカーボンのようなものについて、安価なカーボン”調”シート/フィルムでそれっぽく見せてしまうことは「ダサい」と、私は固く信じていました。

 でも、・・・・。
 ある事件を機にすっかり考え方を変えてしまい、今はカーボン調シート/フィルムを楽しみながら使うようになりました!

 ある事件とは??
 下の2枚の写真をご覧ください。

立体駐車場のスロープ全体像
スロープの柱とその下部の出っ張り

 こちらの立体駐車場は、写真手前から進み最初の矢印を右に曲がれば下階へ、次の矢印を右に曲がれば上階へ行けるようになっています (写真左)。
 この駐車場は上階へ上るスロープの奥にも駐車スペースがあり、写真左では赤いクルマ等が駐車しています。私もそのあたりに前向きで駐車していました。すると、立体駐車場を出る際はまず前進左折してクルマを駐車スペースから通路に出し、下りのスロープを左折しながら下ることになります。
 この手順でクルマを立体駐車場から出そうとしたところ、まず駐車スペースからクルマを通路に出した時点で正面からクルマがやってきました。そこで道を譲り先にスロープを下ってもらい、次に私も下りスロープ手前で左にハンドルを切り下ろうとすると・・・。左後方から「ガリガリガリッ」と無視のできない大音響が

「( ゚д゚) えっ??まさか、俺??」

当然、左側の柱をしっかり目で捉え、当たらないように充分クリアランスを取りながら柱をやり過ごしたはずです。現に、大音響に驚きクルマを停止させた今も、クルマと柱の間にはしっかりとスペースが残っているのですが・・・???

 クルマを降りて現場を目視し、事件の全容を理解しました。
 つまり、下りスロープの両側の柱の下部が出っ張っており、この出っ張りと私のクルマのサイドスカートがガッチリと接触していたのです。そう、この出っ張りは左折する際は運転席から完全な死角に位置するのです。しかも、その出っ張りが何の役割でそこになければならないのか、その存在意義を全く理解できないことが腹立たしさに拍車をかけます。

「( ゚д゚) なんなんだよ?この意味不明の出っ張りは??」

嘆き悪態をついたところで、キズまみれの上に変形してしまった無残な姿のサイドスカートは元には戻りません・・・

 サイドスカートのパーツを入手しようと調べると、純正の新品は意外と高額なことがわかりました
 海外から輸入するといういつもの手も考えましたが、こうした大物パーツは輸送料が高く現実的ではありません

 この手のパーツは交換しても見た目が元に戻るだけで (←それはそれで、大事なことですが・・・(;^_^A )、何らかの+αというか、体感できるうれしさをもたらすことがありません。これに過剰なおカネを投入するのはイヤだな、というのが私の本音。
 まあ、ここは応急処置でやり過ごし、中古パーツをゆっくり探すべ!、とまずは処置策を考えました。

 変形についてプラスチックパーツのこの程度の変形は魔法の液体を使えば簡単に修正できることはすでに知っていました

サイドスカートについた傷。写真は変形を修正しているところですが、魔法の液体の正体がばれかけていますね・・。

 傷は、パテ埋めしてボディ同色スプレーで塗装して・・、とも考えましたが、購入した同色スプレーの色とボディの色が微妙に合わず (ボディは経年で色が多少変化していますので、そんなものです)、部分補修とするとかえって目立ちそうです

 そこで、キズが隠れるようなデザインを型紙に起こし、それをカーボン調ラッピングシート/フィルムに転写、カットし張り付けると・・・。「あら、意外とステキ!」と思えるレベルに仕上がったではありませんか!

型紙を起こす
カーボン”調”フィルムを切り出す
サイドスカートに貼付したカーボン”調”フィルム

 ボディサイドだけにシートを貼るのもアンバランスで、フロントスポイラー部にも貼ってみたら・・・。「なかなかいいじゃない!」のレベルに!

フロントスポイラーに貼付したカーボン”調”フィルム。ヒートがんを持っていない私はここでも魔法の液体を用いて施工しましたので、施工後の地面が濡れてしまっています (汗)。

 この時点で、「中古部品など探さずとも、サイドスカートはもうこのままでいいや!」の気持ちに切り替わりました。

 この手のシート/フィルム、だいぶ昔から「一応」存在はしていました。「一応」と表現したのは、売ってはいたもののあまりにもじゃじゃ馬的で、素人に扱えるような代物ではなかったからです。
 要は、シート/フィルムとしての技術的な完成度が未熟で (まだ市場が小さく、メーカーが積極的に技術開発をしていなかっただけでしょうが・・)、熟練した一部のプロでなければ扱えないような製品だったわけです。

 しかし、カーラッピングシート/フィルムがアフターパーツ市場で確固とした地位を築くにつれ、メーカーの姿勢が大きく変わったようです。フィルム成形またテープ技術の粋を次々と投入し、素人にも十分に扱えるレベルにまで進化しています!

 最新のカーラッピングフィルムや用具の進化について、こちらの記事でご紹介しています。ご参照いただき、是非ご活用ください!

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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