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トヨタ自動車発のアルミテープチューン -続報-

tips
2020.11. 眉唾ではあれど、アルミテープチューンを試す

 クルマの特定のプラスチックパーツにアルミテープを貼ることで空力特性を向上させられるという、(科学的には)信じがたい特許が登録になりました。特許権者は、なんと!、トヨタ自動車です。
 特許公開公報を読みざっくりと試してみたところ、その時の走行に燃費的に有利な条件が整っていたことを勘案したとしても若干の燃費向上が見られたこと、エンジンの回転が心なしか軽やかに思えたことを、こちらでご紹介しました。

 その好結果を、私自身がよくよく納得したわけではありません。
 テープのあり/なし以外の条件を完璧に揃えた上で燃費の比較をしたわけでもありませんし、直前に吸気システムを大幅に入れ替えてしまっているのに「エンジンの回転が心なしか軽やかに」、なんていうのは寝言のレベルなのでしょう。ましてや、「ああ、そういうことであれば、アルミテープを貼ることで空力特性が上がり得ることは納得できるよね!」と膝を叩けるだけの科学的根拠が揃っているわけでもありません。
 でも、なんとなくでも信じてみたかったのは、この特許がそこいらに転がっているアルミテープを貼るだけでクルマの特性が上がるという、夢のような可能性をはらんでいたからなのです (苦笑)。

 ということで、単にアルミテープをぺたりと貼ってみただけ、という前回のテストよりも、もう少しトヨタ自動車の主張を汲んだ貼り方にしてみることにしました。
 なんでも、アルミテープの端面を多く出した方が効果があるということですので、大判のテープを1枚貼るだけよりも、これを切り分け、細長く短いテープに加工して貼った方が効果が見込めるのでしょう。そこで、自慢のラムエアシステムの内側に、こちらのような加工を施しました。

このカーボンケースの内側に・・・
このように細切りのアルミテープを貼り付けます

 また、黒く塗ったアルミテープを準備し、エアホースにも貼付します。黒く塗ったのは、あんまり目立たせたくなかったからです (苦笑)。

 エアフィルターユニットのその他部分にも、インテイクマニホールドにも貼り付けます。それから、ドアミラーの風切り部にも黒く塗ったアルミテープを。ちなみに、このドアミラーのカーボン調フィルムラップも自分で施工しました。手順については、別途ご紹介の予定です。

 さて、最後はフロントバンパーの風切り部です。ボディ同色テープを貼るとはいえここは目立ちますので、しっかりと型を作って施工しましょう。

 施工はここまで。

 あとは走ってみて、効果の実感が継続すればそのまま貼り続けますし、そうでなければ剥がすだけ。なにせ原理の部分が不透明ですので、原理に基づき効果的な貼付位置を考えてみるとか、工夫の余地がほぼないのです・・・。
 宝くじは買わなきゃ当たらない、ではないですが、正直なところ、ほぼそんな感覚です (笑)。

 定量的な効果がみられればご報告しますが、そうでない場合は知らぬ間にしれっとテープが剥がされているやもしれません。

注1) 科学的な根拠のない発明に特許権が与えら得るのか?
特許権の意義は、産業上役に立ちえる発明に対して一定期間独占権を与える代わりにその発明を公開させることで、それを活用した、あるいはそれから着想した新たな発明を促し、産業をますます発展させることにあります。したがって、その発明の効果さえ実証できれば、その科学的な根拠が仮に不明であったとしても特許権は付与され得ます。ただし、出願時点の科学常識/通説を明らかに覆す出願については (例えば、重力に逆らって進む舟など)、化学根拠を示さずして権利が与えられることはないように思われます。

注2) トヨタ自動車の特許を、私が勝手にまねしてしまうことに問題はないのか?
特許権者に対して与えられる独占権は、「業として」それを実施する者に対して効力を発揮します。「業として」とは事業としてとだいたい同義で、例えば私がこの特許を活用したアルミテープを販売すれば本件権利に抵触し訴追され得ますが、個人の範囲で試す分には特許権に抵触することはありません。それどころか、試した結果、特許のクレーム (特許請求の範囲)に記載された効果が得られない場合は、特許無効審判を請求することすらできてしまいます。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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