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東大阪市 布施戎神社の十日戎で福を祈る

名所旧跡・街
2021.01.09 布施戎神社で

 洋の東西でなく、国内の東西でも風習が大きく異なることは、よくあることです。
 商売繁盛等を祈願する祭においても、関東と関西とで大きな違いがあります。

 関東では11月の酉の日に、鷲や鳥にちなむ寺社の年中行事として福を祈願します。一般的には酉の市 (とりのいち)と呼ばれ、鷲神社 (おおとりじんじゃ、台東区千束)でのそれが有名です。神社周辺の露店では縁起物で飾られた熊手が売られています。買う側は値切りはしますが値切った分は祝儀として店側に渡す (つまり、定価で買うということですね(笑))のが江戸前の粋だとされています。
 私は東京で大学生活を過ごしましたし、今でもプライベートで上京するときの定宿は山谷 (台東区千束近くの、昔からあるドヤ街)ですので、初夏は三社祭、冬は酉の市、酒はアメ横 大統領かたきおか、蕎麦は浅草 尾張屋、ショッピング (ウィンドウ?)は銀座 和光、というのが代表的な私的 (わたくしてき)東京定番です。

酉の市の開かれる、鷲神社
浅草 尾張屋の天せいろ
いわずもがなの、銀座 和光

 関西でも同じだろうと思っていましたが、なんと!、関西には酉の市はないとのこと。関西では酉の市ではなく、十日戎で福を祈願するそうです。関西域内に点在する戎神社がその会場になりますが、売られているのは熊手ではなく、箕 (み、竹や藤で編まれたちりとり)です。縁起物で飾られた福箕を買う人もあれば、「商売繁盛笹もってこい~」という音頭に合わせ、神社で授けられた笹 (これは、無料)に自分の好きな縁起物をつけてもらう (これは、有料)人もいます。なぜ笹を授けられるのか?、これはえびす様の持つ釣竿を模すとも、まっすぐ伸びる竹は商売が発展していく姿を象徴するともいわれます。開催されるのは、新年の10日を挟んだ前後を含めた3日間です。

 さて、今回初めて十日戎に行ってみることにしました。もっとも有名なのは今宮戎神社だそうですが、近辺に所用があったこともあり、東大阪市の布施戎神社に出かけました。近鉄布施駅周辺にはいくつかの商店街があり、さながら漫画「三丁目の夕日」感を味わえると聞いており、とても楽しみです。

 さて、近鉄布施駅に到着です (左)。駅には、こんなモニュメントが (右)!布施は、えべっさんの街です!!

 ちなみに、90年代の音楽シーンを席捲したシャ乱Qのメンバーは、全員がここ布施の出身だそうです。

 駅を出ると、目前に商店街が拡がります (左)。商店街は近鉄線と交差していますが、戎神社があるのは線路の南側です。そして、参道を示す垂れ札が目に入り (中)、ここを右に折れます。例年であればこの細い通路 (右)にも露店がひしめいているそうですが、コロナ禍のいま、露店は皆無でした。

 おお!、ここが回転寿司の発祥 元禄寿司本店です (左)。初代がビール工場を見学した際、寿司を回転させるというアイデアが降りてきたそうです。 この日は営業しておりませんでしたがこんなおもちゃ屋さん (中)、そしてレトロな情景が続きます (右)。

 これはこのコロナ禍で初めての試みだそうですが、混雑の予測される戎神社まで行かずとも福を授かることができる、臨時縁起物お授け所が何か所も設置されていました。
 しかし福娘の皆さん、完全防備ですね!ちなみに、福娘をよ~く吟味し、自分好みで笑顔のステキな福娘から縁起物を買うのが、関西流だそうです。

 さあ、ここが布施戎神社です!

 れれれれ・・・・・?、例年と景色が全く違う!、だそうです。違いは、参拝者の数がまるっきり少ないこと、境内に縁起物お授け所がないこと、えべっさんがマスクをし、また参拝者が触れられなくなっていること (服を授かろうと、えべっさんをすりすりする方が多いそう(笑))、とのこと。

 プチ豆知識ですが、えびす様は七福神の中では唯一の日本の神様 (ほかは、すべて中国の神様だそうです)、また耳が遠いので大声でお願いをしないと届かないそうです。足の神様として知られる大阪豊中の服部天神宮もえびす様を祀っていますが、お願い事をする前に大きな音を立てるよう、板と木槌が置かれています (板を木槌で叩いて大音量をたててから、お願い事をいう)。

 福を祈願したのち、レトロな商店街を散策します。商店街のはずれで、こんな懐かしい劇場を発見しました!! (さっそく福が!!)

 一般6,000円のほか、早朝、シルバー、回数券、それらしい料金体系 (ホームページより)に、懐かしの笑みが漏れます。

 こうした劇場がどんどん減っていく中、日本文化の一翼を担った生き証人として、どうか頑張っていただきたいものです。

 今回は、日本の東西での福の祈念の風習の違いをご紹介しましたが、こんな400㎞程しか離れていない二都市間にも様々な違いがあります。これらは、日本の長い歴史に因んだ両者で固有に醸成された文化の差なのでしょう。ここに触れた、興味深い本を一冊ご紹介します。



今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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