加工技術が進んでいつでも食べられるものの代表格のように思われがちですが、初夏の旨いものといえば、やっぱり生うにです。
これはついこの間 (7月中旬)デパ地下で撮影した写真です。このくらいの金額を出せばまだいくらかマシな可能性もありますが (ハズレの可能性が高いと思い、買わなかった)、安いものになるとあのミョウバンの匂いが鼻についてとても喰えたものではありません。
ミョウバンとは硝酸アルミニウムカリウムの慣用名で、ウニに添加することで身を引き締めます。ウニは何も添加せずに放っておくといずれ海水に溶けてしまうそうですが、ミョウバンによって身を引き締めるとそれを緩和できるようで、産地以外で購入するウニには多かれ少なかれ添加されるようです。ただし、残念ながら日持ちの代わりに味は犠牲となり、芳醇なあのウニがなんともいえない薬品臭のカタマリに成り下がってしまいます・・・。
生ウニの産地は?と問われて真っ先に思い浮かぶのは、北海道、それも小樽のあたりだという方が大多数かもしれません。でも私にとっての生ウニの産地は三陸、特に岩手と青森の県境に位置する洋野 (ひろの)町です。なぜなら、たまたま通りかかって寄ったうに祭がとてもよく、数年間にわたり訪れるうちに「生ウニ = 洋野町種市 (たねいち)」の図式が出来上がったのです。なにもこんなに遠い (交通の便がよくないのです・・・)ところまで来ずとも宮城の南三陸のあたりでもおいしいウニは食べられるのですが、これも私にとっては夏の風物詩のひとつなのです。
コロナ禍のいま、この種市うに祭が開催されているかどうかはわかりません。以後紹介する写真は2018年に初めて訪れた時のものですが、連続して訪れたこの先2年間は同じような賑わいをみせていました。
北三陸の海沿いの国道45号線はうに街道と呼ばれるようです。7月頃から街道沿いのレストランではうに丼を提供し始め、また点在する海鮮市場にはあの牛乳瓶に入った贅沢な生うにを見かけるようになります。そして初夏のうにのメインイベントが、7月の3連休に開催される種市うに祭です。
自分でうにをすくい、地元の加工業者さんの手ほどきを受けながら殻をむいて食べたり、牛乳瓶に入ったうにをさっと海水で洗ってアツアツご飯の上にぶちまけてうに丼を作ったり、いずれも超のつく破格で新鮮なうにを満喫できる祭です。
上の写真に「いちご煮」とありますが、果物のいちごではありません。いちご煮というのはうに、あわびを贅沢に煮た郷土の汁で、椀に持った時に乳白の汁に浮かぶうにの姿が朝霞にうかぶいちごのように見えることから名づけられたそうです。これは缶詰で購入することができます。現地で持ち帰り用にうられていたのも、まさにこの缶詰でした。
東北を離れてからはなかなか訪れることはできませんが、ネットで検索してみると、牛乳瓶に入った生うにでも何でもお取り寄せができるようです。
例えば、洋野町の海産物問屋 宏八屋。
私はここの「かぜ水」がお気に入りで、牛乳瓶うにと一緒に取り寄せています。これでご飯を炊くと、うまいのなんのって。
よし、今年も取り寄せ、生うにをつまみに東北の甘い酒でも呑んでみるかな!
(私はどちらかといえば辛口の酒が好きなのですが、東北の吞兵衛に好まれるのは圧倒的に甘口の酒が多いようです。何か理由はあるのでしょうが、私にはわかりません。まあ、ややこしいことは抜きで、地の食べ物には地の酒を合わせることにしましょう)
そう、前日は久慈に寄りましたが、あの著名朝ドラが終わってかなりの時間が経っていたにもかかわらず、久慈の町はあまちゃん一色でした(笑)。ここの名物駅弁であるうに弁当、これは蒸しうにを散らした弁当ですが、生とは違った風味を楽しめますよ~。もしデパートなどで三陸物産展や全国駅弁祭などを見かけたら、ぜひお試しください!レトロなパッケージが、深みを与えていますね。
今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
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