一般的に、FR (Front engine Rear drive)車は雪道に弱いといわれます。
でもこの一般論、日本のFR車の話であって、BMWには当てはまらないと私は思っています。
私は東北に2年間住み、その間BMW F10で約40,000㎞を走破してきました。雪のシーズンは都合3回過ごしましたが、赴任直後(1月1日付での異動でしたので、まさに雪のシーズン真っ盛りでした)の不安はどこ吹く風、赴任後3日目には鼻歌謳いながら蔵王のスキーリゾートに出かける始末(笑)。
そう、雪道を少し走っただけで、FRでもBMWは雪道に強いということがわかってしまったのです。
BMWが雪道に強い理由、それは前後の車重バランスにあると私は考えています。
構造上、FR車はフロントに重量が偏りがちで、現に国産のFR車の多くはフロントヘビーになってしまっています。この場合、駆動輪であるリアに荷重がかからず、雪の坂道を登ろうとすれば軽いリアが安定せず尻を振りながら駆け上ることになります。坂の途中で少しでも止まろうものなら即アウト!、そこから前に進むことができなくなります。
ところがBMWはエンジンを可能な限り後方にレイアウトする、バッテリーなどの重量物をトランク下に配置するなど様々な工夫を凝らし、前後の車重バランスを50:50に近づけています。このためリアにもしっかりと荷重がかかることが、BMWがスポーツドライビングに適し、かつ雪道にも強い理由だと私は考えています。
ドイツは日本よりもさらに極寒で、かつ降雪量も多い国です。こんな国で雪に弱いクルマが売れるはずもなく、雪道の走破性もシッカリ考慮して設計されているのでしょう。
ただし、過信は禁物です。
止まらない!というのがやはり一番の恐怖で、雪の下り坂はやはり緊張します。そして、十分な車間距離をとることも重要です。
BMWでの雪道ドライブ安全性をさらに上げるための、とても有効な方法を一つ伝授します。
それは、トランクに砂袋を載せることです。
私は、より後輪に荷重をかけるべく、トランクでも一番外側(クルマの後端側)に20㎏入りの砂袋を2袋積んでいました。この方法はタクシーの運転手に聞いたものですが、雪道ドライブの安全性向上に大きく貢献してくれました。
FR車が4WD車よりも雪道に強いなどと主張する気は毛頭ありません(笑)。
当たり前ですが、不安定な路面での発車時などは、4輪で路面を掴む4WDの方が圧倒的に優位でしょう。でも、それなりに除雪された日本の一般国道やスキー場近辺の道路を走る分には、FRのBMWでも全く問題ないように私は思います。むしろ、滑ったことを認知しやすく、滑ってもコントロールが(ある程度は)効くという点ではFR車の方に軍配が上がるかもしれません。
スキー場近辺などで、無残にもフロントがひしゃげたクルマを見かけますが、4WDのSUV車の比率が多いように思います。4WD車はそもそもが雪道での限界性能が高いのでオーバースピードになりがち、かつ滑るとコントロールが効かないじゃじゃ馬になってしまうのですが、雪道に慣れていない人がそのことを知らず、クルマの性能を過信して事故を起こしてしまうのかもしれません。
北海道、東北や、岐阜の飛騨地方、北陸ではもう初雪が降ったようです。いよいよ、スノーシーズンの幕開けです!
東北から帰任してはや数年、その間私は雪道を走っていません。Go To トラベルも再開されるようですし、今シーズンはスタットレスタイヤを買って雪道ドライビングを愉しもうかと考えています。
私が編み出した(←大げさな・・・(苦笑))スノードライブtipsやテクニックを、今後シリーズ物で順次紹介していきます。どうかご期待ください!
かなり以前に、「雪道への備え」と題したコラムを掲載しています。こちらも併せてご覧ください。
本記事の続編は、こちらに。
そして、急な積雪に備える最重要装備はこちらに。
今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
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