K&Nは、アメリカ カリフォルニアに本拠を置くフィルターメーカーです。
ダートを走破する際に頻繁にエアフィルター(乾式)を交換せねばならない煩わしさを解消するために、コットンのフィルターベースにオイルを侵食させ、汚れれば洗浄することで繰り返し使用を可能にした湿式フィルターを開発して以来、50年の歴史を刻むメーカーです。
純正の乾式フィルターを同社の湿式フィルターに換装することで、吸気効率が向上し出力もアップする、などというデータも以前はホームページ上に開示されていました(現在は見当たりません・・・)。
私は出力アップまでを体感することはできませんでしたが、使い捨てではなく繰り返し使用できるという点に惹かれ、愛車のBMW F10で長年愛用してきました。
一度購入すれば、そのクルマやバイクのライフタイムの間ずっと使い続けられるわけですので、これほどエコでエコノミーなことはありません。
特に、林道や砂地を走りエアフィルターを汚してしまう機会の多いGSの場合においては、サッと洗浄するだけでその性能を取り戻せるメリットは図り知れません。
K&Nのフィルターはリプレイスメント、つまり純正の乾式フィルターと同一形状になっていますので、何らの加工をすることなく、交換するだけで換装が完了します。
私のモデル(21年式BMW R1250GS)の場合、冒頭に掲載した写真に示す通り、BM-1113が適合します。
BM-1113は多くのショップ情報では「BMW R1200GS用」と記載されていますが、 R1250GSでもエアフィルターケースの形状は同一なのでしょう、問題なく換装できました。
(この製品、amazon japanではなぜか販売されていませんでした。楽天かyahoo!で購入可能です)
さっそく装着しましょう。
装着には、ガソリンタンクカバーの中央部を外す必要があります。
まずはシートを外し、カバー中央部を固定する3本のネジを外します。
そしてカバー前部のネジも外し、カバーを上に持ち上げ、外します。カバーはいくつかのクリップで留まってはいますが、それほど固くないので、緊張無用です。
ここで、一つ目の注意点です!
外したネジは、長さ、形状の差で3種類あります。すべてが同じではないので、どの部分にどのネジがついていたか、記憶か記録をしておきましょう。
ガソリンフィラーキャップ前方の四角い箱を開ければ、エアフィルターがみえます。
あとは純正フィルターを外してK&Nフィルターに交換するだけですが、2つ目の注意事項が。
フィルターを留めている長めのネジが4本ありますが、これは写真のように完全に取り外してからフィルターを摘出しましょう。私は横着してネジが残ったままフィルターを引き上げようとしましたが、作業スペースが狭いがために長いネジが邪魔をして苦労しました。このネジは(ぶら下げたままではなく)引っこ抜いてしまった方が格段に作業性は上がります。
フィルターを換装しました。
あとは、元の通りに組み付けて作業は終了です。
公道オンリーの場合は1~2年に一度、林道や砂地を多用される場合は「今日はガッツリ砂を吸い込ませちゃったな」と思うたびに点検、そして必要に応じて洗浄をしましょう。
洗浄剤、オイルがセットになったメンテナンスキットは、別売りされています。
洗浄剤は同一ですが、オイルについてはエアゾールで噴霧するタイプ(左)と直接滴下するタイプ(右)の2種類があります。私はいつもエアゾールタイプですが、ここはお好みで。
ここで最後の注意点が。
メンテナンスキットのレビューを見ていると、「どれだけオイルを塗布(あるいは、噴霧)すればいいかわからない」というコメントが多く記載されています。少なければ防塵効果が薄れるでしょうし、多ければ余剰オイルがエンジン内部に吸入されかねません。
ポイントは、洗浄前にフィルターの重量を測定しておき、洗浄、乾燥後に、洗浄前と同じ重量になるだけオイルを塗布(あるいは、噴霧)することです。
上記のリンク、また下記のリンクにもフィルター洗浄の様子を掲載していますので、是非ご参照ください。
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