大津市の街角に点々と配置されている、大津絵とその解説のギャラリーです。
どれもこれも、示唆に富む、味わい深いものばかりです。
鬼の寒念仏 (左)
僧衣をまとっているが慈悲深い姿とは裏腹に、中身は鬼であることを風刺し角は人の我でそれを折ることを教えている。
為朝 (中)
庶民に人気のあった武者絵で、最後は朝敵として大島で平家の軍を強弓で苦しめた剛弓をせにした、鎮西八郎為朝図である。
大黒 (右)
俵の上の大黒、添えてある傘は上を見ずに働くことを示唆しそのための蓑も描いてある。福は自分で稼ぐことと知足を教える。
藤娘 (左)
四百年、齢を経ぬままの藤娘。大津絵美人画の代表であり今日迄未だ人気が衰えない。昔から良縁の符として有名である。
文読む女 (中)
大津絵美人画の一つ、浮世絵と共通する風俗が。誰からの文か何が書いてあるやら観る人をしていろいろ連想さす図である
瓢箪鯰 (右)
「憎らしい人の心も鯰かな」瓢箪でぬらりくらりと鯰を押さえられないように、人の心のつかみどころがない様を風刺した図。
鬼と柊 (左)
魔除けに年越しの時用いる柊の葉を加えた鼠が鬼を追いかけている図。怖い鬼にも弱点がある。鬼は外にも通ずる図。
鍾馗 (中)
中国の道教から由来するもので、端午の節句では幟にも描かれ男児の守護神とされる。「ふりだすと一番先に鍾馗逃げ」
雷と奴 (左)
「かみなりにうたるるつみはのがるともわがなすつみはのがれはやする」江戸期盛んだった心学の教訓絵の一つである。
大黒と外法の角力 (左)
「福と寿の角力を見れば大方は服が寿命をひきこかすなり」と歌にある。人の福への貪欲さをいさめたものである。
猫と鼠の酒盛り (中)
鼠が差し出す肴の唐辛子、猫の肴は当然鼠で、「聖人の教えを聞かず終に身を滅ぼす人のしわざなりけり」とある。
長刀弁慶 (右)
三井寺、比叡山にもなじみのある弁慶。この図は衣川 (岩手)での弁慶が七つ道具を持った立ち往生の姿である。