北斎、妖怪画を鑑賞するために中国地方を訪れた際、映画「男はつらいよ」最終話の舞台になった岡山県津山市で一泊することにしました。
津山で一夜を過ごすことにしたのは、旅館 お多福に泊まりたかったからです。
旅館 お多福は、レトロ建築を掲載する書籍でも見たことはなく、穴場的な旅館なのかもしれません。私も、この宿を見つけたのはいくつかの偶然が重なってのことで、何かの啓示があってのことかもしれません (ちょっと、大袈裟ですね(笑)。
津山市公式観光サイトにも掲載されており、津山の魅力アップに貢献しています。旅館 お多福の外観については、先の観光サイトやお多福のホームページでご覧ください。
(帰りに写真撮ろうと思って忘れてしまった、痛恨のパターンです (涙)。)
この宿に宿泊することができて、本当によかったです。
館内のレトロな意匠はもちろん (いつ寅さんが現れても、驚きません!)、館内を彩るホンモノの美術品の数々、まるで美術館に宿泊しているようです。
部屋 (写真左)を出てカーテンを開けると、吹き抜けが (写真中)。窓から下を見下ろせば、箱庭が目に美しい (写真右)。
室内の意匠に、目を移しましょう。
寅さんばかりではなく、「おにぃちゃぁぁ~~ん!!」と妹の桜が出てきてもまったく違和感がありません。
本館の所蔵する美術品の数々は「作州維新文庫」と名付けられ、定期的に入れ替えながら展示がされているようです。この中で私が特に好きだと思ったのが、津山藩お抱え絵師 狩野洞学の手になる大黒様 (写真左)と、なんと! 宿泊する部屋に惜しげもなく飾られていた同じく津山藩お抱え絵師の狩野如林の手になる龍の図 (写真右)です。この龍の図、葛飾北斎の富士越龍図に非常によく似た構成になっています (富士越龍図については、こちらの記事で言及しています)。
如林の方が後輩ですが活躍時期の重なる二人ですので、何某かの交流があったか、交流まではなくとも刺激を得ていたのかもしれません。
まだこんな宿が残っていたんだ~と、とても感慨深い一夜を過ごしました。
なお、この旅館にはケンケン鍋なる名物料理があるそうです。これは、雉 (キジ)の鍋です。今回は当日の朝にこの宿を見つけ、予約したため賞味できませんでしたが、次回はこの名物料理と旅館の両方を味わいに再訪したいです。
今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
* いいねボタンでのご評価をお願いいたします!
*よりよいページにするために、皆様からのコメント、アドバイス、リクエスト、ご質問等々を大歓迎いたします。ページ下部のコメント欄から、ぜひお寄せ願います!
コメント