宮城県の北方で山形県境にほど近い場所に位置する鳴子温泉郷は、私の最も好きな温泉地の一つです。そこに、「農民の家」なる一大湯治旅館がありました。
湯治のはじまりは、農繁期を乗り切った農家の方々が家財道具の一式を携えて湯に寄り、骨を休め、友と語らい、次に向けた英気を養うことであり、その意味で「農民の家」というネーミングはまさに湯治の本質を突いたものであったのかもしれません。この「農民の家音頭」が、それを如実に表しています。
ここをよく訪れていた当時はまさか将来ブログを開設するなど考えてもおらず、あまり写真は残っていません。
印象深いのは、こちらの売店です。もう、だれをターゲットとしているのかはっきりとわかる品揃えですね~~(笑)。売店の経営はお上手だったのに、旅館の経営はそうはいかなかったようで、確か2017年には倒産してしまいました。いつ行ってもおばあちゃんたちがバスで連なってやってきており、少なくとも集客性に問題があるようには思えませんでした。
たぶん学校の校舎と同じ設計の建物としたのでしょう、館内はさながら学校の造りでした。
日本の温泉の泉質は、11種類に区分されます。一般的に、「〇〇温泉といえば硫黄泉だ」というように、1つの温泉地に1種類の源泉であることが多いのですが、鳴子温泉は11種類中9種類までの泉質が存在する、非常にバラエティーに富んだ温泉地なのです。ですので、1つの旅館に「泉質の異なる」複数の湯殿があることが珍しくありません。ここ農民の家は、すべて泉質の異なる5つもの湯殿を擁しています。これぞ、鳴子温泉のソコジカラ!!こんな温泉は、ほかにありません!!
温泉は一部を除いて混浴で、「うゎ~、俺以外みんな女の人じゃん~」と、なぜだかこっぱずかしくなることもしばしばでした (苦笑)。
硫黄泉の硫黄臭がよそで嗅いだことのないレベルでパンチが効いていたこと、夏場でもちょっと冷たく冬場はまるで水、の炭酸泉がとても気持ちよかったことをよく憶えています。
室内は、こんな感じです。各部屋に自炊設備がありましたが、共同の自炊コーナーもあったように記憶しています。遊ぶばかりで一向に勉強をする気配のない息子を連れ立ち、合宿形式の勉強会をたびたび開催しましたっけ・・・(泣)。
こんな素朴な外観や、レトロな看板が、私のハートを鷲掴みにしていました。
2020年の初秋に鳴子温泉を訪れた際、農民の家にも立ち寄ると・・・・
以前はこのガラス戸に物々しい掲示物がべったべたと貼ってあったのですが、それに代わり、なんと!!!、復活を知らせる掲示物が!!!
これは、農民の家の一ファンとして、非常にうれしい知らせですね~!!
2021年10月のリニューアルの見込みとのこと、コロナの影響は無視できないでしょうが、見込み通りの復活を祈っています。
ああ、うれしい!!復活したら、応援しないとな~~~!!
*以下のリンクで、鳴子温泉郷、および近隣の温泉地をご紹介しています。
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今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
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コメント
私も大好きな鳴子農民の家。どこのどなたか存じませんが、再開情報ありがとうございます。全く知りませんでした。でも、こんなマニアックな温泉をこのまま最下位しても、行く末は倒産ですのでどう展開していくのでしょう。
他のブログも読ませていただきました。面白かったです。
花巻、大沢温泉自炊部は私も大好きで何回も泊まりました。なんとなくブログ主様と波長があっているようです。
あと、瀬見の喜至楼なんですが、私の出身地の隣です。この温泉はすごく熱くて難儀します。同級生が別の温泉旅館なんです。昔聞いた話では、温泉組合に変わり者の喜至楼の旦那が入っておりません。なので、ちょっと浮いた存在だそうです。でもそのせいか、レトロが保存されていて最高ですね。
まっさおさま、コメントありがとうございます。
岩出山近辺の事業所に勤務していた際、事業所内でも農民の家の破綻の話題で持ちきりでした。地元の方も多く、出資金を出されていた方も多くいらっしゃったようでした。出資金は、すべて返還されたと聞きましたが。
現在は関西地方に居住しておりますが、今夏は東北を訪れ、農民の家の様子も見てこようと考えています。コロナ禍が、悪い影響を与えていなければよいのですが・・・。
喜至楼の隣町というと、最上とか舟形でしょうか。夏場に舟形鮎祭りを訪ねたことがありますが、素朴なよい祭で、名物の鮎料理をおいしくいただきました。
はい、コメント拝見し、まっさおまと波長が合うと思いました。大沢温泉、その先の鉛温泉も大好きですし、北東北だと酸ヶ湯温泉、蔦温泉なども好みの温泉場です。なかなか更新が追いつきませんが、順次アップしていこうと考えております。
またのコメント、お待ちしております!
新しく開館するならば、ベットも一緒に泊まれる方が良いですね。日帰りならばベットと一緒に入れる温泉ならば良いですね。
コメント、ありがとうございます。
ペット愛好家は多いのですが、ペット同伴可能な温泉施設はあまり見かけませんね。
(専門家でないので予測に過ぎませんが)湯の適温が人間とその他動物とでは異なるとか、そんな理由もあるのかもしれませんね。