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晩秋の生駒 宝山寺周辺を散策し、花街の色香を残す景色と新蕎麦を愉しむ

名所旧跡・街
2020.11. 晩秋の生駒で

 久しぶりに、生駒 宝山寺を訪れました。ここは寺、および門前町の雰囲気がよく、例年数回は訪れる場所です。

 生駒は今は大阪のベッドタウンとして人気を誇る町ですが、その昔、大正から昭和にかけては料理屋や置屋がずらりと並ぶ花街として栄え、生駒新地と呼ばれていたそうです。その様子は、藤圭子の「女町エレジー」の中で「生駒は哀しい女町」と唄われています。
 花街だったころの名残りも濃いなか、古きを残しながらも新たな町に生まれ変わらんとする息吹もそこかしこに見られました。今回は、生駒 宝山寺周辺の古きと新しきをご紹介します。

 宝山寺は地の人々に「聖天さん」と呼ばれる、生駒のシンボルです。
 「昔の花街でござい!」といわんばかりのアーチを抜けると、宝山寺の参道に至ります。ここを登れば、まず金剛堂が目に入ります。この金剛堂で、各種の安全祈願がおこなわれています。

花街の入口然としたアーチ
聖天さんへと続く参道
安全祈願をおこなう金剛堂

 山門をくぐると、素晴らしい意匠を凝らした建物が並びます。山門をくぐる前にある和光殿という土産物屋前には宝山寺全景のジオラマが展示されていますが、このジオラマでみるよりも実物の方がだいぶ小ぶりのような印象を受けます (ジオラマが、少々盛ってる(笑)??)。

 惜しくも写真を取り損ねましたが、境内には巾着を模し、表面に大根の図柄を彫った賽銭箱があります。この巾着は砂金を入れたもので現世利益を、大根は体内の毒消しを表しており、商売の神として大阪庶民の信仰を集める宝山寺の象徴だそうです。

 奥の院に続く階段の両脇には、たくさんのお地蔵さんが鎮座なさっています。
 ところどころの管理小屋には大量の1円玉や5円玉が準備され、両替に応じてもらえます。これら多量の小銭を、お地蔵さんたちにお供えしていこうというシステムです。管理の方のお話によれば、お供えされる賽銭の量はお地蔵様によって異なり、見目麗しい特定のお地蔵様ほど量が多いそうです。なんと!人気のあるお地蔵さんとフツーのお地蔵さんへのお賽銭の量は、5倍ほどの差があるそうです!!
 う~ん、世知辛いというか、まあ、迷い多き人間の仕業ですので、こんなもんですかね~(笑)。

こちらが、現在の一番人気のお地蔵さまだそうです
なかなかに、味のあるお言葉です
より多くの人間を助けるために、多くの手をお持ちなのだそうです

 山門の手前に、七福神が鎮座されていました。七福神は日本の神様と思われがちですが、実は恵比須様を除いてすべて中国の神様だそうです。ちなみに、3歳まで歩けなかった恵比須様は海に捨てられてしまったという悲しい過去があります。耳は大きいのですが聴力はなく、大声を張り上げないと願い事を聞き入れてもらえないことに注意してください。

 宝山寺をあとにし、門前町を散策します。

 参道を下りたところに、とても雰囲気のよい蕎麦屋がありました。
 名は、六根亭。websiteは、こちら
 その日に供する蕎麦粉の銘柄を掲示するあたり、(自称)蕎麦にはちょっとうるさい私も満足できそうです。

 

 私は、鴨せいろのランチセットをいただきました。グリーンカラーの新蕎麦から、蕎麦の香りが立ち上ります。

 風味よく、蕎麦が口の中で踊ります。鴨汁も抜群の味、うん、満足!!
 周りを見渡すと、天婦羅蕎麦もとても旨そうです。次回は、天婦羅蕎麦に決まりだな~(笑)。
 蕎麦懐石を楽しみながら、そのまま宿泊もできてしまうコースもあるようです。
 

 凝った普請ながら瀟洒な内装、目で歴史を愉しむこともできます。こちらは、もともとは料理旅館だったそうです。

 さて、散策です。

 冒頭でもお話ししました通り、新しい店も力を伸ばしつつあります。やはり、テラス席などを準備し、この美しい景観とおいしい食事をミックスさせた店が強いようです。
 トラディショナルなのは、こちらのような旅館です。どこが、というのは知りませんが、昔ながらの形態の営業をされている旅館もあるそうです。

このあたりは、往時を偲ばせますね~。

 晩秋の一日を、愉しく美味しく過ごすことができました。

今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!

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