完璧な工業製品というのは存在せず、クルマであればメーカーに特有の弱点 (BMWなら、昔から水回りが鬼門だといわれてきました)や、もっと細かいところでは車種に特有の弱点というものが存在します。特に、外車ではそれが顕著なようです。
F10も、御多分に漏れずいくつもの弱点があり、諸先輩方がいろいろなところでレポートされています。その一つが、左側ヘッドライトへの水分の侵入です。
実は私のF10も、購入当初は雨天時や洗車後に左側ヘッドライトが曇るようになり、その後あれよあれよという間に内部が濡れはじめ、ついにはライトが点灯しなくなったことがあります。その間、左ヘッドライト異常の警告が頻繁に鳴り響きましたが、打つ手なくご臨終・・・。
メーカー保証が適用されたので金銭的な負担はありませんでしたが、ご参考までに、と示された料金表には50万円をちょっと超える金額が表示されていました。イマドキのライトはこんなにも高いのかとちょっとたじろぎましたが、さすがに再発することはなく、ライトが曇るということなど忘れてしまっていました。
それから数年・・・。
雨の走行後にふとライトを見ると、あれれ、左側がうっすらと曇っているではあーりませんか!
(チャーリー浜師のご冥福をお祈りいたします。合掌。)
そこで諸先輩のレポートをいろいろ読んでみるに、左側ヘッドライトの曇り、さらに進行しては内面の濡れというのはF10ではよく見られる症状で、ヘッドライト内部の湿気の排出がうまくいかないことに起因しているようです。BMWもこのことに気づき、湿気の排出をスムーズにさせる補修キットも販売しているようです。ちなみに、このキットの純正品番は63 11 7 296 902です。
補修キットを入手して根治させようとも考えたのですが、現状はほんのちょっぴり曇っているだけだし、補修キットを適用するにはバンパー外してライト外してと、相当の工数がかかりそうだったしで、まずは応急策を講じることにしました。
用意したのは、こちらのシリカゲル。
100円均一ショップで入手しました。これを通気性の高い袋 (私は、手近にあった軍手を利用しました)にまとめます。
ボンネットを開け、ライト部のカバーを開ければ、ヘッドライト内部へのアクセスポートがみえます。これをひねって取り外し、ヘッドライト内部にシリカゲル入りの袋を投入します。内部に入り込んで取れなくなるのはno thanksなので、シリカゲル入りの軍手には紐を縛り付け、これをかませた状態でポートを閉めます。このシリカゲルの存在を忘れたまま走り回ることはしたくないので、紐をだらしなくたらし、かつボンネットをすこし開けておきました。
そのまま3日間放置し、シリカゲルを取り出しました。このシリカゲル、乾燥状態が青で湿気を吸うと赤に変色するインジケーターが入っているのですが、見ると青が消えて透明や、ごく薄い赤に変色しているものもありました。それなりの効果があったものと思いましょう!
本来であれば、ライトに投入する前後のシリカゲルの重さを比較することで除去した水分量を定量し効果のほどを推測すべきなのですが、なんというか・・・。忘れてました!まぁ、よくあることです (;^_^A
梅雨時期になれば、結果はおのずと目に見えてくるでしょう!
効果がイマイチであれば、ちゃんと工数をかけて補修キットを適用することにしましょう!
我らがF10には、左目の曇りだけでなく、雨天時の走行や駐車によってリア席の床面がビショビショになってしまうという、これからの時期には笑えないアキレス腱もあります。これについては、また別の機会にご紹介させていただきます。
後日談・・・
シリカゲルを用いた応急処置のあとしばらく走りましたが、雨天時に左ライトが曇るという現象は完治しませんでした。結局純正の補修キットを適用することになりましたが、その内容は以下の記事でご紹介しています。
さらに後日談・・・
残念ながら補修キットの適用だけでは不十分だったようで、しばらくするとライトの曇りが再発してしまいました。最終対策として、ヘッドライト周りのコーキングを実施しました。この記事 (BMW F10 左目のアキレス腱 (3) 最終章 -ヘッドライト周りのコーキング-)へのリンクは、下記記事内に示しています。併せてご参照ください。
冒頭で「メーカーに特有の弱点」と記載しましたが、BMWの場合は水回り(冷却系)が鬼門だとよくいわれます。私も水回りについては予防的なものも含め、ずいぶんと手を入れてきました。それらについては、以下のリンクでご紹介しています。
今回はヘッドライトの話題でしたが、クルマ全般の調子を保つためには日頃のメンテナンスが肝要です。これについては、以下の記事でご紹介しています。ぜひご参照ください。
今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
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