自動車メンテナンスを始めた当初、KTCのツール一式を購入しました。
KTCは京都機械工具株式会社の略称で、1950年から国産の上質な工具を設計、製造、販売する会社です。
このセット、国産車の整備であれば必要充分だと思うのですが、ドイツ車の整備には足りないツールがあれば買い足したり、また、もとがベーシックなツールセットでしたので、使い勝手がイマイチなツールはより上級のものに換えたりしてきました。
使い勝手が悪いな、と感じていたものの一つが、ラチェットハンドルです。
セットに入っていたのは、最もベーシックな、180㎜長のハンドルがついたBR3Eです。
狭所作業ではハンドルが邪魔になるので、まず買い足したのがハンドル長が120㎜と短く、さらにハンドルを中折れさせられる、Koken社3726ZSです。コンパクトで狭所でも攻めていけるのはよかったのですが、中折れの位置が中途半端なため、ハンドルが折れたおかげでさらに狭所作業ができた、という記憶はありません。
(逆に、力をかけると不意にハンドルが折れることが多々ありました。このサイズのラチェットはぜひ一つ持っておきたいところですが、ハンドルが中折れしない3725ZX (ハンドル長は100㎜)の方を私はお
ススメします。)
狭所で障害物を避けるには、やはりスイベルラチェットのようにヘッド部分を中心としてハンドル角度を変えられることが有利なのですが、私が多用する差し込み角9.5mm (3/8 inch)でスイベルラチェットを出しているメーカーはほとんどありませんでした。
ドイツVera社が近しい製品を出してはいたのですが、スイベル角が任意ではなく、0°、15°、90°の固定式である点が使いづらそうで、見送っていました。ただ、下記リンクの口コミを見る限り、かなり評判は良いようです。今度使ってみようかな。
それと、BR3Eの最大の欠点だと思っていたのは、ラチェットギアの歯数です。よく言えば質実剛健ということになるのかもしれませんが、昔ながらの36枚ギア、つまりハンドルを10°以上振ることができなければ次の歯に送れず、ネジを回せません。狭所作業での10°というのは結構な振り角で、もうちょっと細かいギアだったら効率よく作業できたのに・・・、と思うことたびたびでした。
理想のスイベルラチェットがなかなかないなと思っていたところ、KTCが新製品を発売したというニュースを聞きました!
それが、こちらのBRSW3です。
ヘッド部を中心としてスイベルさせられるうえに、ギア歯数が72枚、つまりBR3Eの半分の5°の振り角で次の歯に送れるのです!
そう、これはこれまで所有していた2本のラチェットに関する私的残念ポイントを一挙に解決した、革新的な製品なのです!
私的残念ポイントなどと表現しましたが、これらは私だけでなく、きっと誰でも感じる残念ポイントだと思う点だと思います。
なのに、なぜこれまでこの製品が発売されなかったのでしょうか?メーカーによれば、ラチェットヘッドのサイズをコンパクトに保ったまま、本締めにも耐えられる強度を両立するのに苦労があったようです。
ハンドル長はBRSW3の180㎜のほか、300㎜のBRSW3Lもあります。
私の場合は差し込み角9.5㎜のラチェットは狭所作業で使うことがほとんどでしたので、迷わず180㎜をチョイスしました。
このスイベルラチェットを買ってからクルマの整備をする機会がなく、買ってただ眺めているだけですが、はやく実際の整備に活用して、これまでのラチェットで感じていた残念ポイントが解消されていることを早く実感したいものです!
ともかく、理想としていたスイベルラチェットがようやくKTCから発売されてうれしい!、というのが率直な感想です。
(Snap onなどでは発売されていましたが、サンデーメカニックには高価すぎて(笑)・・・)
今回は、ここまで。
次の機会にお会いしましょう!
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