津は海に面し、山からの肥沃な水を運ぶ河川が多い立地であることから、古くから養鰻が盛んな街だったそうです。
その最盛期は戦前から戦中にかけての時代で、この頃から鰻は津市民に愛された郷土の味となりました。
残念ながら養鰻業はその後衰退の一路を辿り、1959年の伊勢湾台風による設備の崩壊が決定打となり、現在は完全になくなってしまいました。
しかし、養鰻業がなくなった今でも、鰻は津の味としてこの地に根強く残り、市内や近郊に多くの名店が点在しています。
津の鰻の特徴は、旨いのは当然として、ズバリ、「安いこと!」です。
昨今では鰻の値は上がる一方で、都市部では庶民が頻繁に愉しめる値段ではなくなってきていますが、ここ津では、中ランクの鰻丼は1,000円台で味わうことができるのです。
津の鰻は関西風の捌き、焼きが多いのですが、もちろん店によって仕上がりは全く変わってきます。津の家庭では、その家その家に贔屓の鰻屋があるそうです。
私はかつて2年間ほど津に住んでおり、大概の店を食べ歩きました。そんな私のおススメは、2店あります。
いずれも津市内の店で、ひとつははし家、もう一つが新玉亭です。
どちらも関西風の鰻とのことですが、新玉亭は確かに関西風のパリッとした焼きである一方、はし家はふっくらやわらかで、ほとんど関東風に寄っているように思います。
味も食感もこれだけ異なると、その時の気分によって店を選択できる愉しみができていいですね。
今日は、はし家の鰻を紹介しましょう。
外観は、こんな感じです。
平日の昼ですが、順番待ちの列ができています。
写真は撮り忘れましたが、遠く奈良からBMWの2代目7シリーズ(E32)でやってきた老齢のご夫婦もいらっしゃいました。もう40年も前のクルマなのに、まったく色褪せることはありません。このご夫婦にとってこのE32は、まさに終のクルマなのでしょうね。
メニューは、こちらです。
他のエリアでは、とても考えられない値段ですね!
中を注文される方が多いようです。
私は、遠方から訪れたということもあり、特上う御飯を注文しました。
1Fの店内の様子です。
はし家は大型店舗で、椅子席の1Fに加え、畳敷の大広間にいくつものテーブルを配置した2F、そして3Fには宴会場も完備されています。
私のもう一つのおススメである新玉亭も、はし家同様の大型店舗です。
さて、特上う御飯がやってきました!
う御飯は鰻重とはことなり、ご飯と鰻が別々に供されます。
ふっくら柔らかな鰻がたっぷり5切、旨い鰻を腹一杯に堪能しました!
皆さんも是非、足を運んでみてください!
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